幸せ家族計画
「それに子供って、夫婦をつないでくれるものよ」
「え?」
「だって共同作業だもの。
子育てって、自分一人じゃ無理よ?
まして、達雄にとっては初めての血のつながった家族でしょう?
彼にとってそれは一番嬉しい事なんじゃないのかしら」
「そんな事、考えてもみなかった……」
綾乃ちゃんはお腹に当てていた手を、ゆっくりと動かした。
「それにね、あなたはちゃんとお母さんよ?」
「紗彩さん」
「コーヒーを勧めた時、ダメって言ったでしょう。
もうすでに、ちゃんと赤ちゃんの事考えてるじゃない」
「……あ」
綾乃ちゃんの瞳に涙が浮かんでくる。
いけないことを言ったかしらと一瞬ぎょっとしたけれど、
その口元は緩んでいて、泣き笑いの表情が浮かび上がった。
「そうですね。ホントだ」
どこか安心したように、彼女は笑う。
私が想像する以上に、彼女は自分を責めていたのだろう。