幸せ家族計画


「陣痛痛かったでしょう」

「ハイ。あんなに痛いんですね。もう死んじゃうって思いました」


落ち着いた感じで話しているのは紗彩。
2人目だからなのか、妙にドライな感じがする。


「あ、目を開けたよ!」


サユが小さな声でそういう。

赤ん坊が目を開けて、親指をくわえてキョトンとしている。


「かわいい」

「ホントだ。可愛いな」


サユの後ろから覗きこむように見ると、綾乃ちゃんが声をかけてくれた。


「葉山さん。抱いてみますか?」

「いいの? じゃあお言葉に甘えて」


達雄が布団から赤ん坊を抱き上げ、俺の腕に抱かせてくれる。

さすがに達雄は慣れた様子だったが、俺は赤ん坊を抱くのは初めてだ。
柔らかな弾力にどう力を入れていいのか分からない。


「こ、こんな感じでいいのか?」

「首が座ってないから、ここを押さえてやって」


達雄の落ち着きが何だか悔しいが仕方ない。
抱いて体ごと揺らしてやると小さな声をあげた。

< 340 / 419 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop