幸せ家族計画
「もう一度診察しましょう」
看護師さんの言葉で、仕方なく手を離す。
俺たちが廊下に出ている間に医師も入ってきた。
その間、俺たちは廊下で身を寄せ合うようにして立っていた。
「サユ、お腹は大丈夫か?」
「うん。そう言えばすいたかなぁ。
でもなんか、ママが心配で食べられない」
「でもママは、サユが元気無くなる方が嫌なんじゃないかな」
「そうかなぁ。でも……」
そうは言いつつ、俺もサユも病室の前から離れられないままだった。
やがて、看護師さんが出てきて俺に中に入るように言う。
「サユ、廊下で待てるか?」
「ヤダ。お父さんと居たい」
「……じゃあ。静かにしてるんだぞ?」
「うん」
頑ななサユを説得する気力はなかった。
俺自身も、誰かの体温を感じていたかったってのもある。