幸せ家族計画
サトルくんは、ハッとしたように手首からその手を離すと、握手の形にして差し出した。
「俺、サユちゃんの高校に受かったんだ」
「……え?」
「春から、よろしくお願いします。先輩」
「そ、そうなの?」
「うん。俺頑張ったよ」
「え? あ、そうか。合格おめでとう」
「ありがとう」
そろりそろりと手を伸ばして、握手をする。
やっぱり大きい。
昔、手を繋いで歩いた時とは全然違う。
ごつごつした、男の子の手だ。
「あ、サイちゃんの部屋、こっち」
慌てて離して、サイちゃんの部屋まで案内する。
だって、ドキドキしておかしくなっちゃいそうだもん。
「あ、兄ちゃん」
「イッサ、ルイ。帰るぞ」
覗きこむと、サイちゃんとイッサくんが向かい合ってゲームをしてる。
「待って。どうしてもこれがクリアできない」
「あ、まだやめてないの、ゲーム!」
「ねーちゃん。頼む。これだけクリアさせて!」
「目が悪くなるって言ってるでしょ!!」
私の怒りは、右から左へ通過してるらしい。
もう腹立つったら。