魔天戦史

訓練

「お帰り。しかし通信が切れた時はどうしたかと思ったが…何があったんだい?」

グレンとレオンはあの後本部に帰還し、そのまま会議室に来たのだ。

「敵を殲滅した直後に、仮面の男の奇襲を受けた。」

「仮面の男…!?」

憲蔵は思わず席を立った。

「まぁ、落ち着いてくれ憲蔵。君にとっては因縁深い相手だとは思うが、今は耐えてくれないか?」

「…申し訳ありません…」

憲蔵は椅子に座った。
「なるほどね…それで、レオンと一緒になったのか。」

「あぁ。殺されそうになったが、レオンに助けられた。悪かったな、レオン。」

「いや、私も正直勝てる気はしなかった。退いてくれて助かった。それで、大元帥様。任務の報告を。」

「あぁ、そうだね。頼むよ。」

「第一部隊はアジア地区の確認された内の四つの拠点は制圧完了しました。シルヴィアの第二部隊も、同様にヨーロッパ地区の拠点の内の三つは制圧完了しています。」

「そうか…ご苦労だったね。アジア地区の拠点の制圧は、第六師団が引き継ぐ。君達は、日本に行って敵の攻撃から、富士山地下の極焔の宝玉を守ってくれ。」

「日本…ですか?」

「あぁ。頼めるかな?」
「…では、ジャッジメントの使用を認可して戴けますか?」

「…許可しよう。アレイン、武器庫に行ってレオンにジャッジメントを渡してくれ。」

「了解しました。」

アレインと呼ばれた秘書は鍵を預かりレオンと一緒に武器庫に行った。

「…さて、それではここで一つ重大なことを伝えておこう。先日、日本の冨山元帥の学園が、敵の襲撃を受けた。その時、学園を守ったのが、そこにいる坂原勇翔君だ。」

その言葉に全員の視線が勇翔に集まった。

「さ、坂原勇翔です…」
「日本は度々襲撃されていてね。三回連続で襲撃され、その最後の襲撃が、仮面の男を筆頭とする最精鋭部隊と目される部隊の学園への直接攻撃だ。」

「それで、被害はどうだったんだ?」
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