【完】俺だけを愛して溺れろ。



「俺なら、凜を泣かせない」



『(え……?)』



騒がしくなっていく胸と、詰まる息。



ふと、脳内にある言葉が浮かぶ。



その言葉を振り払うことが出来ないあたしは、ただただ洸太を見つめることしか出来ない。



「中島さんは肝心なことを言わないですよね?それは大切にする自信がないから」



その内容が、その意図が気になって仕方ない。



あたしの考えは、きっと外れてる。



いや、外れてくれないと困る。



あたしは、洸太とは――…


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