【完】俺だけを愛して溺れろ。



「へぇ、保健の勉強?」



『中島さんが言うと、卑猥に聞こえるのは何故ですかねぇー。アハハハハ』



「俺にも教えてよ」



『他の人に……』



「“凜”が良いなぁ」



中島は口元に綺麗な弧を描きながら、あたしの右頬を優しくなぞる。



お、悪寒が。



至急、川村凜の救助を求む!



言葉巧みに言うこの男に、無駄な抵抗をしたあたしが馬鹿だった。



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