一緒に暮らそう
 それからの二人の週末は結婚準備のための時間となった。二人は町へ婚約指輪を注文しにいったり、結婚式場の資料を取り寄せたりした。

 新多が千葉の両親に結婚を考えている女性の存在を告げると、彼らは三十路も半ばを過ぎた息子の話を手放しで喜んだ。新多は11月の連休に紗恵を連れて実家のある千葉に行く予定を立てた。
 紗恵の方には結婚を報告する家族はもはやいない。田舎町で紗恵に店舗を貸していた叔父に対しては、事後に結婚を報告すればいいと思っているので、予定の段階ではまだ話す必要はないと判断した。彼とその家族が、喜んで姪の結婚式に出席するとは思えない。
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