【完】君と流れ星を。
先生が立ち上がる気配がして、遠ざかっていく。

カチッという音がして部屋に明かりが灯った。


目が慣れないのと急に現実に引き戻されたので、頭が少しフラフラする。

先生も眩しそうに目を細めていた。



明るいところで見るプラネタリウムは想像していたより小さくて、あの宇宙のような空間を作り出したとは思えない。

バレーボールよりもひと回り小さいそれは、黒い球体によく見ると小さい穴がたくさん開いている。

中に電球があるのか、下から出た線がコンセントへと延びている。


単純なんだ。

よく見ると。


単純なことなんだ。
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