【完】君と流れ星を。
私はこの星空を本当の空で見たいと思った。

望遠鏡で他の星も見たいと思った。


もっと先生の色んな表情を見たいと思った。



ただそれだけ。
それだけでいいんだ。
きっと今は。

色んなことを考える必要ない。

何も始まってない。


『まずやってみなさい』


おばあちゃんの言葉を思い出した。



私は先生の顔を見る。

そして――


「私、天文部に入ります」


先生は何も言わず、私の頭をくしゃっとなでて、そして笑った。
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