社長!好きです!

「久利生さんが、社長のこと好きなのは、もう随分前から知ってるよ。」


はい?今・・なんて?

自分の耳を疑った。


「社長と何かあった?」


何かあったとは?

何を言いたいのでしょうか?


何だかイヤ~な汗かいてきた。


「別に・・・何も・・・」

私が言葉を濁すと

「そっか、やっちゃったかぁ」




は?


『やっちゃたかぁ』って?


そんなことまだ言ってないですっ!


「ちょ・・・仁佐さん!」

焦り気味の私に

「いいからいいから。」



そんな訳知り顔で言う仁佐さん



さなえの方は

「社長さんってあのカッコいい人でしょ?

ね、そうでしょ?和ったらホントなの?」


ちょっと興奮気味で言い


それから、ハッと気がついたように

仁佐さんの方を見て・・・


仁佐さん

さなえに向かって少し眉をひそめ


「そうだよ。

そのカッコいい社長さんだよ。」


ぶっきらぼうにそう言って・・・



なんだかちょっと・・・ちょっと

雰囲気悪くなった?



さなえが困った顔してこっちを見たので

「で、でも、社長って仁佐さんより5つも年上のおじさんだし、
バツイチだからぁ・・・・」


この場をなんとかするつもりが・・・


しまった!


仁佐さんもバツイチなんだった!


ぴくっ!って仁佐さんのこめかみが動いたのは・・・気のせい?


私ってば、も~~~~っ!





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