パニック!!


 「これからお前は、俺の奴隷だ。」

「 はぁ!?何言って…」
「何でも言うことを聞く。どんな仕事も手伝う。その代わり、俺はお前がユーレイに追われたとき、助けてやる。どーだ?いい案だろ?」
ふん、とあたしを見下ろして笑う柊。
「…」
(こいつ、Sだ…。俺様だ…。ニンゲン失格だ…。)
「ふーん。嫌なんだ。じゃ、俺はお前がどんなタチ悪いユーレイに追われてても、スルーするから。」
「え゛。あ、あたしまだ追っかけられるの!?」
「当たり前だろ?お前自分がどれくらいユーレイをひきつけてるか、見てみろよ。」
柊が指差した方向を見ると、ユーレイ達がすごい形相で迫ってきていた。
「一応結界張ってるけど、これ解けたら一気に飛びつかれるぞ?」
柊はニヤリと笑った。
「…」
「どこまでも追いかけてくるだろうな。」
「…」
「捕まったら食われるかも」
「…」
「あ、あとクモの妖怪もいるからな。」
「その話、乗ったぁ!!」
「単純だな。」
くっくっ、と笑う柊。

「うるさい!!」
少し唇を尖らせて彼を見つめれば、珍しくやわらかく笑う柊。
(あれ?)
上昇する体温と、早まる鼓動。
(風邪でも引いちゃったかな?)
おでことほっぺに手を当てながらあたしは首を傾げた。




―ほっぺをピンクに染めたあたしが、
彼に恋するのは、
あとちょっと先のお話。




災難→出会い→?

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