パニック!!
「こほん、で、あんたは一体何者なのよ?」
笑い続ける彼を引っ張って人があまりいない路地に行くと、あたしは切り出した。
「人に物を頼むときの言い方、習わなかった?」
明らかに笑いをこらえながら、サドっ気たっぷりに確信犯の笑顔を向ける彼。
「(~っ!お、お願いします…。)ぼそっ」
「ん?」
「お願いしますっ。」
「何?」
「お、お願いしますっっ!!///」
「まぁ、教えてやるか。」
(鬼だ…)
「俺は柊。祓い屋だ。」
鬼…、いや、柊は言った。
「へ?」
「だから、祓い屋。」
「それって、アベノセイメイとかオンミョージとか言う…」
「ま、そんな感じ?←適当。」
「な、なんだったの、アレ?」
「低級の悪霊だな。お前、『視えた』のは初めてか?」
「あ、あんなの初めて見た…」
「思いっきり追っかけられてたしな。笑」
「そ、そりゃ焦るわよ!あんなの突然現れて…」
「で、俺が祓ってやった。」
「そ、それについては感謝してるわ…」
「じゃ、報酬は?」
にこり、と笑う柊。
「え?(焦)」
あたしの頬に、冷や汗が伝う。
「俺言ったな、祓い屋だって。」
「え、言った…け?」
しらを切ってやる。
それで逃げ…
「言ったな?」
「はい。」
近くの壁に手を突かれ、あたしは逃げられなくなった。
いわゆる壁ドン状態だ。
「仕事なんだから、報酬をもらわないと。」
「で、でもあたし、金、無い…」
「だったら、体で払ってもらう」
「え゛。」