パニック!!
あたしが呆然としながらその光景を見つめていると、
「重い。どけ。」
彼が不機嫌そうに呟いた。
「ご、ごめん!…って、重い!?」
あたしがどくと、彼はため息をついて、服の砂を払いだした。
「ちょ、お、重いって!!」
「助けてやったのに、『ありがとう』すらねーのかよ」
「や、そ、それは、ありがとう…」
「ん、じゃーな。」
彼はそう言うと、立ち上がってその場を去ろうと…
「っておいちょっと待てーー!何今さっきの!?あんた何したのよ!?てか何者!?」
あたしは彼の肩をつかんで揺さぶる。
「…ハァ。」
わざとらしいため息。
「な、なによ…」
「俺を押し倒した次は何?」
ヒソヒソ…
「?」
「くくく…っ笑」
突然笑い出す彼を不思議に思ってあたしがあたりを見渡すと、周りにはおばさんとか小学生が照れたようにこっちを見ていた。
「ち、ちがーーーーう!!」