あなたを好きになってもいいですか?―初恋物語―

「どう? 料理教室は?」と、結衣ちゃんが大学の校内を歩きながら、声をかけてきた。

 今日の講義が終わり、帰ろうと結衣ちゃんと美雪ちゃんと三人で正門に向かって歩いている。

「楽しいよ」と私は答えた。

 霧島君の通う大学の公開練習に行かないと決意して、すぐに私は料理教室の習い事を増やした。

 週末の予定を入れておかないと、きっと行きたい気持ちを抑えきれなくなってしまうから。
 予定を入れてしまえば、気持ちを抑えられる。
 公開練習の時間の間、料理に夢中になっていれば、霧島君に会いたいという気持ちを誤魔化せる……と思ってたけど、完全に頭から切り離すことなんて難しいよ。

「園崎さん」
 正門で、私は呼び止められた。声のしたほうに、顔を向ければ、三崎さんが私服で立っていた。

「……三崎さん?」
「良かった。話がしたいの」

 三崎さんがまっすぐな目で私を見つめてくる。

「『みさき』ってもしかして、バスケ馬鹿の???」と、小声で美雪ちゃんが私に囁いてきた。

 私はコクンとうなずいてから、「ごめん、今日はここで」と結衣ちゃんと美咲ちゃんに言った。
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