あなたを好きになってもいいですか?―初恋物語―
 駅近のカフェに三崎さんと一緒に入る。
 三崎さんがブラックのコーヒーを頼み、私は紅茶を注文した。

「話って」
「だいだいは察してるんじゃないの?」

 冷たい口調で、三崎さんが口を開く。

 だいたいの察し……と言われても。
 私と三崎さんの共通点といえば「霧島君」しかない。

 三崎さんからメールをもらってから、私は一度もK大の公開練習を見に行っていない。
 霧島君ともメールのやり取りもしてない。

「公開練習のことでしたら、私は三崎さんからメールをいただいてから、見に行ってません。霧島君にメールもしてないから、選抜の件がどうなったかも知りません」
「同級生なのに、丁寧に話さないでよ。一時はおなじマネをしたじゃない」
 目が笑ってない作り笑顔を、三崎さんにされる。

 ますます私の心は、警戒の警告が頭の中で鳴り響く。
 気を緩めたら、負けてしまう。

「話ってなんですか、三崎さん」
「侑から聞いたの。園崎さんと侑が付き合ってるって」
「はい」
「……そう。なら、はっきり言うわ。別れて。今の侑には、園崎さんは必要ない。今後の侑のバスケにとって園崎さんは邪魔でしかない」
「え?」

 ウェイターが、コーヒーと紅茶を運んできた。
 静かにテーブルに置かれると、「ごゆっくりどうぞ」と言い、店の奥へと姿を消していく。

 私は、ごくりと生唾を飲み込んだ。

『必要ない』と『邪魔』の二言が、私の頭の中でぐるぐると回転した。
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