あなたを好きになってもいいですか?―初恋物語―
てっきり付き合っているのかと思ってた

図書室で勉強しているときは、隣に座ってたし…

胃薬をくれたときも、三崎さんが持っているのを分けてもらったし

霧島君が推薦合格した大学に、三崎さんが一般受験して合格してたから

付き合ってて、一緒に居たいから同じ大学に進んだのかと思ってた

それって私の勘違いだったんだ

私は零れた涙を指で拭うと、霧島君に微笑んだ

「霧島君、好き」

「さっき聞いた」

「うん、好きなの。T大に合格したら、霧島君に告白して…それで諦めようって思ったの」

「…あ、ああ。その選択、間違ってないと思うけど」

「でもやっぱり好き」

「何度告白されても、俺の気持ちは変わらない」

「だけど私が勝手に好きでいる分にはいいでしょ?」

「それは…構わねえけど。ツライのは園崎だぞ。俺は振り向かない。バスケ以外に熱中するものは作らない」

「いいの、それで。私が勝手に想ってるだけだから。霧島君を好きでいさせてね」

私はぺこりと頭をさげると、霧島君に背を向けて歩き出した
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