あなたを好きになってもいいですか?―初恋物語―
「そうか。了解」

 霧島君が短く返事をすると、箸できゅうりの漬物をつまんだ。

 ちらっと私は霧島君を見る。

 とくに『合コン』について、気にしている風ではなさそう。

 少しでも反応してくれたら……。行くのを止めちゃおうかな? なんて思ってたけれど。

 世の中はそんな甘くないってことか。

 霧島君、別に気にしてなさそう。

 ちょっとでもいいから、「行って欲しくない」とか言ってもらいたかったなあ。

 それは期待しすぎなのかな。

 霧島君は、誰とも恋愛はしないって話してたもんね。

 私はおにぎりに手を伸ばすと、かぶりついた。
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