あなたを好きになってもいいですか?―初恋物語―
「作ってこないの?」

「霧島君がいいなら……作りたい」

「作ってこなくても良いって言っても、作ってくるんだろ?」

「え? ああ。うん、まあ……多分」

 へへっと私は笑うと、霧島君が「なら、止めようがねえじゃん」と私の頭に手を乗せた。

 霧島君の指が私の髪に絡んでくる。

 私は割り箸を割りながら、恥ずかしくて赤くなる頬を下を向いて隠した。

「んじゃ、来週も期待してる」

 霧島君が、唐揚げと指でつまみあげて口に入れた。

「あ、来週は……」

 美雪ちゃんに誘われた合コンが……。

「なに?」

「来週はちょっと予定があって」

「珍しいな」

「あ、うん。大学の友達に誘われて、ちょっと合コンに」

「合コン?」

「うん」と私は頷きながら、割った割り箸を霧島君に手渡した。
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