クズレタ果実【完】
アパートじゃなくて、安いホテルの紹介ではないか、疑うわけじゃないけど、不安になりつつ、服など必要なモノをボストンバックに詰める。

元々、衣装持ちでもなく、物を置くのも好きでないせいか、ボストンバック二つに全てが入った。

“倫子、ありがとう。学校で会った時は、話そうね?”

明け渡しの日に戻って来るであろう倫子への置き手紙をリビングに残し、私は部屋を出た。
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