クズレタ果実【完】
お金持ちの家に、私は不釣り合いと言われてる気がしてならなかった。

2人が戻って来たら、お暇する事にして、荷物を手に持ち、待つ。



「どうした。荷物なんか持って」



「やっぱり、ご迷惑だから」



先に戻って来た冴嶌に言うと、桃哉さんもリビングに戻って来る。



「これ、僕の名刺です。渡しておきます。桃真は教師で、日中は役立ちません。何かあれば、携帯に電話を下さい」



副社長と、役職が書かれた名刺を受け取る私に、桃哉が肩に手を乗せた。
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