クズレタ果実【完】
隣に座る冴嶌は、「旨いだろ」と、頭を撫でて来る。

偶然かも知れないけど、ナイスな選択。

今日はいっぱい、食べれそう。



「あ、そうだ」



「…通帳?」



私は一旦、箸を置いて、お気に入りのショルダーバックから通帳と印鑑を出して、冴嶌に手渡した。



「少ないけど、渡しとく。携帯の引き落としがあるけど、私の生活費として使って?なくなるまでに、バイトも探すから」



でも、返されてしまった。
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