愛するということ

勢いよく瞬の被っていた布団を捲ると、驚いて顔を上げた



その目には次から次へ溢れる涙で、瞳が見えないほどだ
ハッと瞬が顔を逸らす



逸らした瞬の顔を、強く掴み再び俺の方へ向けた



「瞬、もう一人で泣くな。俺には隠すな」

「・・・っ。隼人・・・」

「ごめん、今までだってお前が一人で辛いコト知ってたのに・・・ずっと気付い
てたのに・・・」

「隼人!違うの!私ママに『いいお破らないで』ってひどいこと言っちゃって。本心じゃなかったのに・・・。それが最期の言葉になるなんてぇ・・・っく」






必死に顔を背けようとする瞬の顔を両手で挟みながら、その濡れた瞳を覗きこんだ。


「母さんだって、本気じゃなかったコトわかってるよ。だから、お前のコト必死で守ろうとしたんだよ。」


「隼人、やめて。私・・・どうしてママが死んだの。私だったら――」



「そんなこと言うな!」
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