愛するということ
瞬の体をギュッと抱きしめた。
瞬は、抵抗することもなく遠慮がちに俺の背中に手をまわす。
「ごめん」と言った俺に、無言で顔を横に振る。
俺は、その腕の中にある小さな瞬の体の熱にずっとこのまま溶けてなくなってしまいたいと思った。
しばらく瞬の熱に浸りながら、突発的に気付いた気持ちと、衝動的にしてしまった行動の理由を瞬に伝える冷静さを取り戻していた。
息を大きく吐いてから、抱きしめていた腕の力をギュッと強くする。
「瞬、ごめん、たぶんずっと前から俺はお前のコトが好きだったんだ。ずっと気付かなくって、今やっと気付いた」
「隼人・・・」
「うん。突然で困るよな。俺もどうしていいかわかんない。だけど、俺のいないところで瞬が泣くのは、もう嫌なんだ。」
「うん・・・」
きっと、瞬は驚いて、不安なんだろう。
急な告白はもちろん、まして、俺は兄キなんだから。