愛するということ
「そっか。また友里の告白相手に殴られでもしたのかと思って・・・。お前、瞬に接触されないよう必死だったろ」


「・・・」




鋭すぎる拓馬に、驚いて何も言えない俺の肩をポンポンと叩きながら拓馬は、部屋を出て行こうとしてた。


「隼人、気をつけてやれよ。瞬だって女なんだ。友里のお守もそろそろお役御免させてやんねえとな」

「分かってるよ」



フフッっと笑って拓馬は部屋を出て行った。





瞬が、女だってことは、今日1日だけで十分自覚できてる。

それが、俺のせいだってことも・・・





傷ついた瞬を知る俺が、助けてやらないといけないことも・・・
だけど、瞬は俺に何も、求めていない。



俺の前で、泣くことはないのだから・・・




今日、何度目かの自己嫌悪に陥りそうになって、俺は着替えを取りに、自分の部屋へ向かった。
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