愛するということ
「隼人、瞬どうだ?」



突然、背後から拓馬の声がして、ビクッとしてしまった。



「さあ、さっきメシ持っていった時は、寝てたから」

「ふーん。で、ほんとは熱なんかじゃないんだろ」



拓馬の突然の追求に、思わず持っていたクッションを落としそうになってしまった。



――まずいな



俺は動揺を悟られないように、拓馬に背中をむけたまま



「はっ?熱以外になんかあんのかよ」

「・・・ふぅ」

「・・・」



拓馬は、意外と鋭い。

バレたか?
これ以上、何か言うと絶対バレそうだ。




俺はダンマリを決め込んだ。

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