君と見上げた空【完】
「蝶ちゃん、次の技術一緒に行かない?」


「…うん、行く、ありがとう誘ってくれて」


荒川さんたちが謝ってから、急に
クラスメイトに話し掛けられるようになった。




「今日の技術は、彫刻刀を使って版画を
 するぞー」


技術の瀬川先生がそう言って説明を
始めた。




「じゃあ、各自怪我に気をつけてやるように」



先生がそう言うと、みんなは彫刻刀を
使って彫り始めた。

私も、技術室一緒に行こうと誘ってくれた 
由希ちゃんと一緒にやり始めた。


「わぁ、蝶ちゃん上手いねー」


「そう?由希ちゃんも上手いよ」


「ありがとー」


「ふふっどういたしまして」


私は、由希ちゃんとのお喋りに花を
咲かせてちゃんと手元を見ていなかった。



「それでね…痛っ!!」

私は思わずそう叫んでしまった。

だって、彫刻刀で手を切ってしまったから。


「蝶ちゃん大丈夫!?
 保健室行った方がいいよ!」


「うん、分かった」

私はそう言って切ってしまった人差し指
をおさえながら保健室に向かった。







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