君と見上げた空【完】
「ゴホッゴホッ」

…!

今まで動かなかった空が突然激しい
咳をしだし、苦しそうにし始めた。

「容態が急変しました!」

看護師さんたちが慌ただしく動き出し
た。

私はその様子を震えながら見つめていた。

そして主治医がこう告げた。

「…もう、手の施しようがありません」

私はそれを聞いた瞬間
主治医に叫んだ。


「なんで諦めるんですか!?まだ空は
 生きていますよ!!お願いですから
 まだ諦めないで…「蝶っ!」

お母さんは私の名を呼んだ。

その瞬間私の目から涙が溢れ出した。

「うわぁぁぁん!!空ぁ…ヒック」

笑っていると決めたのに私は
号泣して、もう訳わかんなくなっていた。


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