オトナのキュンラブss†渇望~体から始まる恋
いつまでも満たされない喉の渇きを感じながらも、仕事に戻った私は表面上は着々と確実に業務をこなしていく。
いつの間にか定時を過ぎていて、私はデスクの前で座ったまま大きく伸びをした。
ああ、喉が渇くなぁ。
でもいくらなんでも飲みすぎだし。
…一度病院で診てもらったほうがいいかも。
本当に何かの病気かも知れない…
---水に包まれたい。
体に纏わりつく、水の感触に浸りたい。
喉が渇くだけじゃなくって、そんな症状の病気ってあるの?
水の中にいると落ち着くし、少しだけ『渇き』が癒やされる気がする。
仕事、もう切り上げてプールに行こうか?
今朝も泳いできたけど。
それにしても---
…やっぱりあの二人、付き合っているのかな?
仲が良いみたいで、少し前から噂になってる。
童顔でお人形さんのようにかわいらしい上野ちゃんと我社一のイケメンでデキる男の松本くん、お似合いだよね---
同じチームで仕事しているからか上野ちゃんは何かと私も誘ってくれて三人で行動することが多いけど、少しは遠慮したほうがいいのかな。
ああ---水が恋し過ぎて、なんだか切なくなってきた…
ぼんやりしていると、ふいに机に影が落ちてきた。
「南さん、書庫の鍵貸してもらえます?」