オトナのキュンラブss†渇望~体から始まる恋
「ま、松本くん!
あ、書庫の鍵ね」
今頭の中で上野ちゃんと松本くんのことを考えていた私は、本人の登場に少し焦りながらデスクの引き出しから書庫の鍵を取り出した。
「ありがとうございます」
鍵を受け渡しする時、一瞬手が触れ合って二人の視線がぶつかる。
「あっ、ごめんね」
私は不自然なくらい慌てて手を引っ込めた。
…私、松本くんのこと、苦手かも。
さっきみたいな発言やこんな風にジッと見つめられたりすると、心のなかまで見透かされているようでなんだか落ち着かなくなる…
「持ち出し禁止の資料で、見たいものがあるんですけど」
松本くんの視線に狼狽えた私は、すっかり舞い上がってしまった。
「あ、今松本くんが関わってる案件の?
この間書庫の整理をした時に保管場所替わったみたいだから分かりにくいかも---
えっと、一緒に行こうか?」
「---助かりますけど…
南さん、仕事の方はいいんですか?」
「いいの、一区切り付いたし、もう終わろうかと思っていたところ。
資料が見つかったらもう帰るから」
「すみません」
「気にしないで。じゃ、行こうか」
私は開いていたパソコンをオフにして立ち上がった。