オトナのキュンラブss†渇望~体から始まる恋
深い水底から浮上するように、私はゆっくり意識を取り戻した。
「気がつきましたか?」
背中に響く心地良い声。
「---えっ?」
キャビネットに背を預け座り込む松本くん。
その松本くんの脚の間に抱え込まれ、後ろ向きに抱きしめられている私。
一瞬のうちに、さっきの出来事がフラッシュバックする。
「どうしよう…---」
自然に体が震えだす。
「何がです?」
「…上野ちゃんのこと、」
すごくいい子なのに、
裏切ってしまった。
こんなことになってしまって---
もう上野ちゃんに合わせる顔がない。
「美穂がどうかしたんですか?」
「…松本くんは、何とも思わないの?
上野ちゃんのこと、裏切って---私と…」
私は松本くんから離れようと身を捩った。
「は?!」
松本くんの腕が、引き止めるように私のお腹のところで強く交差する。
「…だって、付き合ってるんでしょ…
なのに私とこんなことして…」
涙が堰を切ったかのように一気に溢れ出した。