親友ときどき上司~熱風注意報~
一瞬、何が起こったのか分からなかった。
焦点が定まらない程近くに琥珀色の瞳。
唇に触れる暖かな感触。
それが荘司の唇だと気付いたのは、少しだけ唇が離れ、
「目、閉じないの?」
と囁いた荘司が再び、今度は長い睫毛を伏せて瑞希の唇を塞いだ時だった。
「んっ!」
吃驚して手に持っていたバッグが指先を滑り落ちる。
両手で荘司の胸を押すと、大きな手と逞しい腕に後頭部と腰を引き寄せらる。離れるどころかすがりつくように荘司のジャケットの胸元を握りしめた。
ヌルリと入って来た荘司の舌に、瑞希は両目を固く閉じる。
抵抗する間もなく荘司の舌が瑞希の歯列を内側から舐め、あっと言う間に瑞希の舌に絡み付く。
時折、角度を変え舌を吸い上げ唇を舐められる。
「…ん…あ…んんっ…」
卑猥な水音をさせて貪られる唇の間から、瑞希の鼻に掛かった吐息が漏れた。