親友ときどき上司~熱風注意報~
親友with怒り~暴走と苦悩~


「…何で、ここで寝てんの?」

 シャワーを浴びてリビングに入った荘司は、ソファーで寝息を立てている小さな塊を見下ろした。

 上半身裸でスウェットを履いただけの格好で、しばらくソファーを見つめる。

 ポタリと髪から水滴が落ちて、我に返った荘司は溜め息を吐いた。


 何かに怯えるように、華奢な体を丸める瑞希。

 化粧をしていないあどけない顔に残る赤い痕。

 荘司は小さく舌打ちして、そっと頬に指を伸ばした。

 腫れは引いていたが、しばらくは残りそうな痕に眉間が寄る。

 今は隠れて見えない肩と背中も、無数の痣と掠り傷が付いていた。




 
< 51 / 126 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop