親友ときどき上司~熱風注意報~
「ごちそうさまでした。荘司、私行くね。」
荘司特製の美味しい朝食を食べ終え、立ち上がった瑞希は、隣で新聞を読む荘司に声をかける。
「まだ、時間大丈夫よ?ミーティングも午後だし。」
顔を上げた荘司は不思議そうに立ち上がった瑞希を見た。
「だって、バスだとどれくらい時間かかるか分からないもん。」
バッグの中身を確認しながら言った瑞希に、大きな溜め息が聞こえた。
「妙な所を遠慮するのね。…同じ目的地なんだからアタシの車で行けばいいじゃない。」
顔を上げた瑞希に、呆れた荘司の言葉。
た、確かに。
これだけ甘えておいて、今更遠慮するのも変だけど―――
だからこそ、甘えてはいけないと思ったのだが、荘司は甘やかす気満々だったらしく、瑞希のバッグを取り上げて、視線だけで座るように促した。