親友ときどき上司~熱風注意報~


 やっぱりホテルに――

 そう思う気持ちはあっても、荘司の気配の残る場所に居たかった。


 何だ。私、かなり荘司が好きなんじゃん。


 昨日、隼人とあんな事があったからと言うのもあるだろうが、それすら一緒に居たい言い訳にしているような気がした。

 隼人との事を言い訳に、荘司の優しさに甘えている。

 親友の優しさに付け入っている。

 私が荘司と居たいから。


 荘司が好きだから。



 一緒にいればいる程、報われないだろう想いを抱えたまま、瑞希はタクシーを降り荘司のマンションへ入った。














 
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