tearless【連載中】
「…なんで…?」



“真那斗”そう一番上に記されたメール。

約2ヶ月振りの名前に戸惑いながらもゆっくりボタンを押す。



〔久しぶり。メアド変えてなかったんだね…。
あのさ、突然で悪いんだけど明日の放課後時間作ってくんない?〕



ディスプレイに表示されたのはこんな文章だった。

時間はPM10:16。



“ちょうどお風呂に入ってた時だ…”



それにしても、明日の放課後って…。

何だろう…?



『葵…?』



突然呼ばれた名前に“パチン”と携帯を閉じると“何っ?”後ろを振り返った。

ベッドに横になっていた璃琥は体を起こしながら“何かあった…?”月明かりに照らされた顔を私に向ける。



「ううん…、何も無いよ…」



気が付いたらそう言っていた。

別に隠すつもりも、隠す必要も無かったのに。

真那斗とはもう終わったし、何より今は何とも思ってない。



『…こっち来いよ…』

「うん…」



握り締めていた携帯を鞄に押し込めると、立ち上がりベッドに向かった。



少しの罪悪感を抱きながら…。


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