tearless【連載中】
『そんな下らないこと聞きに来た訳?』
“どうせ、誠二に色々聞いたんだろ?”鼻で笑う祐樹は、きっと真面目には答えてくれないだろう…。
それでも私は、“泣く私を殴ったのは、お母さんと重なったから?”強い口調で話した。
『それを聞いて、どうするの?』
“可愛そう…って慰める?”煙草を灰皿に押し付けると、不敵な笑みを浮かべる祐樹がソファーから立ち上がる。
『葵はさ…』
こちらを真っ直ぐ見つめ、ゆっくりと一歩づつ距離を詰めてくる祐樹。
『誰かを殺したい程、憎んだ事ある?』
また一歩、また一歩…、距離が埋まる。
『母親が目の前で血を流してる光景は、今でも忘れられない…』
どんどん近付く祐樹に危険を感じるのに、動こうとしない体は、まるで人形の様で…。
