笑わない女と俺
「なあ、山月、お前、好きなテレビとかある?」

おいおい、俺!。

何彼氏彼女みたいに見られているからって普通の会話しようとしてるの!。

「教えない……」

そうか、そうだよな。

教えないよな。

そうに決まってるじゃないか。

って教えない!?。

てことは好きなテレビあるってことか!?。
思わず聞き逃しそうになる。

「えっと、それってさ、ドラマとかバラエティーとかか?…」

おいおい。

だから俺よ。

そんな事、第一お前は知りたいのか?

ていうか根掘り葉掘り、お前は大阪のおばちゃんか?

「違う……、でもそれ以上は教えない」

「そっか…」

今、結構まともな会話出来たような…。

案外こいつ、普通の精神の持ち主なのか?

「なあなあ、お前ってテストいつも一番だけど、どうやって勉強してるんだよ。なにかコツとかあるのか?」

調子に乗ってそんな事も聞いてしまう。

「ない……」

おいおい、一言かよ。
こいつ、一応、会話にも好き嫌いがあるのか?。

好きな事はそれなりに会話出来るような気がするし、興味ない事は返事するのも怠そうだ。
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