恋愛温度(番外編も完結しました)
「さて、帰りますかぁ!」

なんだかすっきりした気分になっていた。

ボストンバックを

ブンっと振り上げたら

急に重みが増した。

「は?」

振り返るとがしっっとバックを掴んでいる手、

視線を上げると泣きそうな顔の和司。

「なんで?どこかいくの?」


和司の手を振り払ってバッグを引っ張ると、

ムキになってバッグにしがみついてくる。

「離してよ!」

「やだ!」

「タイムオーバーだよ。」

「でも。捕まえたんだから、間に合っただろ。」

あたしは大きなため息をついて、

「困ったなあ、もう、あたしの心の整理はついちゃったんだけど。」

「やっと話せるんだから、聞いてよ。

 そのために、いろいろ片付けて飛んで帰ってきたんだから。」

「わかった、聞くだけ聞いてあげる。」

私がバッグを離すと、和司はそれを大事そうに抱きしめると

いそいそと運ぶ。

この天然わんこめ!

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