夏の日差しと狼のいろ。




 「…」

 朝になった。
 静かに朝日が昇るころ、
 ツキたちは家の前にいた。


 傍にはアルが居て、ウルーが居る。

 そして前にはシルクが居る。


 「はい」

 シルクは最後の荷物をツキに
 渡しおえ、手を払った。


 もう終わりなんだ。




 「ー…ッ」

 思わず俯いたツキの頬に
 シルクが触れる。


 そしてツキの顔を
 そっと持ち上げた。






 「いつまでたっても泣き虫ね」




 ツキの頬には涙がつたっていて、
 そういうシルクの目にも
 涙が溜まっている。




 ツキは涙を乱暴に拭った。




 朝日がキラキラ輝きだす。



 「元気でね」


 朝日が辺りを照らす。



 「あんたたちこそ」





 朝日が完全に昇るころー…











 「行ってきます」









 ツキたちは歩き出したー…。














      第一章、完>>


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