夏の日差しと狼のいろ。


 二日前までは、
 荷物運びの馬車の後ろに
 三人で腰かけさせてもらい、
 ゆらゆら揺れていたが
 今はすでにゴンドラに乗っていた。



 オールを漕ぐ、ゴンドラ仕事の
 おじさんによると、
 もうすぐ町に着くらしい。







 「アルちゃん暑くないの?」


 ふと気になり、聞く。

 アルは本当に暑くなさそうに
 疲れた様子もなかったからだ。


 暑くないのかな…


 アルはツンとした様子で答えた。



 「私、寒さには弱いけど、
  暑さには強いんです」


 アルはそれだけ言うと、
 ぼーっと水を眺めていた。




 ウルーは暑いのは苦手なのか
 すでに疲れたように見える。


 見た目からすれば
 ウルーは冬って感じがするし…




 やがてツキも疲れて
 へたりと寝転んだ。

< 134 / 376 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop