夏の日差しと狼のいろ。




 「あ、ごめんね…」


 ツキが謝るとアルは
 ツキをキッと睨んで言った。


 「どこの言葉かは
  知りませんけど
  何でツキさんが話せるんですか?」



 厳しい質問に
 ツキは黙り込む。


 自分が雪狼かもなんて
 言えない。



 ツキが黙っていると
 後ろからリルが鋭く言った。


 「…アナタ、姫にしつれい」


 あまり喋らない子なのか、
 慣れないようすで言う。




 それを聞いてアルは
 首を傾げた。


 「姫?何いってるんですか?」


 それがきにくわなかったのか
 リルは更に説明しようとする。



 「リルちゃんっ」

 ツキがしぃーっとすると
 リルは渋々黙った。


 アルも不機嫌そうに
 睨みながらも口をつぐむ。



 ふと気になって見た
 ウルーはというと
 何か思い出すように悩んでいた。

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