夏の日差しと狼のいろ。


 「…うん」


 ウルーは元気づけようと
 してくれてたんだ…



 ツキはそれに気づき、
 ツキは本当に
 少し元気が出ていた。



 いつまでもくよくよ
 していられない。



 ツキは決心して、
 ウルーに言った。



 「昨日の場所に、行ってみよう」


 ツキがそういうと
 ウルーもこくりと頷き

 くるりと方向転換して
 そっちを向いた。





 雨は止んでいた。



 ウルーにおぶられたまま、
 恐る恐る二人は

 あの現場にむかっていった。



 その間もウルーに
 おぶられたままで

 始めは、重くない?とか
 疲れない?とかと

 ツキはウルーに尋ねていたが

 しばらくすると
 落ち着き、ウルーに

 しっかりつかまって
 寄り掛かっていた。



 ウルーの背中はあったかくて、
 大きくて

 ツキはだいぶ安心していた。



 パニックな気分と、
 怖くてどうしようもなかった気分は

 もう落ち着いている。






 そうしていると
 ウルーが立ち止まり、言った。



 「…着いたぞ」


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