夏の日差しと狼のいろ。


 「ち…がい…ま…す!」


 体の傷がひどいのだろう、
 とぎれとぎれに言った。


 何かひどく焦ったように
 訴えかけているが、

 ガハッと血を少し吐き
 アルは再びうなだれた。


 『…!!』


 ツキは驚いて青い瞳を
 少し大きくしたが

 双子の話に興味がわき
 アルがきちんと呼吸しているのを
 確認し、双子を振り向いた。



 地面に倒れ伏した双子のうち
 ラスクが口を開く。


 「狼がおれたちを殺した」


 ぴくり、と横で
 ラルズが耳を動かし、

 がばりと顔をあげた。



 「僕は何にも…何にも
  してないんだよぉ…?」


 ツキはまだ双子達が
 話すないようが理解でききれず
 詳しく聞こうと
 耳をぴくぴく動かし、先を促しす。



< 239 / 376 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop