夏の日差しと狼のいろ。



その後ラスク達は上機嫌で歩き
ちょっと遠くの丘まできてから
ぐるっと辺りを見回した。


「綺麗だ!」

ラスクが大きな声で叫ぶと
ラルズも賛同するように
飛び跳ねた。


…待ちにまった父上の誕生日!
今日こそ父上を喜ばせるんだ。

去年は失敗してしまい
二人は今年を待ちにまっていた。
















夕暮れごろ、ようやく
その花は見つかった。

金色にも見えるほど輝くその花は
疲れた気持ちも吹っ飛ばせる。


「さ、帰ろ」

「ギリギリ間に合いそうだねぇ」

そんな会話を交わしながら、歩く。


自分達の一族の森が見えはじめ
二人は駆け足になった。


馴染みのあるその森が
目の前に近づいてー…



「…!?」

森の入口に
血が、点々と散っていた。
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