夏の日差しと狼のいろ。

「どういう意味?」


ツキの後ろで
ウルーとアルも不思議そうに

時計を見ている。


「これはねぇ…
世界中の時計と"通信"
できちゃう時計なのぉ!」




…つ、通信?



ツキはまだよくわからなくて
首を傾げた。


するとラスクが例えば、と
言ってアルのほうへ言った。



「アル、時計もってる?」

「…は?持ってますけど」


聞かれたアルは
時計(貴族っぽいの)を取り出した。




「よし!じゃあそれ持って
そこに居てて」


そう言うと、
さっさとラスクは小屋に
引っ込んでしまった。




「…ったく、何なんですか」


アルがやれやれと
呆れていた次の瞬間、


アルの時計がぱあっと光った。



そして。



『おーい!聞こえてるかー?』



時計の中に、
ラスクが映っていて

ニッと笑っていた。


「わあ!何これ!すごい!」



ツキがはしゃぐのを見て
ラスクが笑う。



『意味わかった?
この時計をつかうと

その辺にあるどんな時計にでも

まぁ、いわゆる連絡?みたいなのが

できるわけだ!』





ツキはうんうん頷き、
もらった時計を見つめた。



…ってことは
久しぶりにシルクに
連絡できちゃったり


するってことだ!!





ツキがぶんぶん尻尾を
ふっていると

ラスクが小屋から出てきた。



ラルズの横に
並び、満足そうにする。



「何かわかったら、それで
連絡してよ」



ツキは元気よく頷いた。
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