夏の日差しと狼のいろ。

ツキは体が砕けてしまったかと
思うくらいの衝撃を
体に感じて、一瞬息が止まった。


どれくらいの高さから
落ちたのかな…



ツキは小さく息をして
仰向けになった。


空が、広がってた。


血がながれ出て、意識が
ふわふわ遠退いていくような
そんな気がする。





周りの音が一瞬聞こえなくなって
ツキは不思議な感覚に覆われた。













ゆるり。




ゆるゆる、落ちてく。




体がふわふわして
落ちてく。











不意にくらくらするくらいの
強い日差しが目に映り


ツキははっと目を開けた。



まだ"生きている"


ツキは意識を保とうと
息を深く吸った。


もう立ち上がれそうもないが
意識はいつの間にかはっきりしている。



ツキはごろりと寝返りを
打つように姿勢を変えた。



その先には、
銀色の狼が倒れている。


ツキが眺めていると
狼は小さく、もとのサイズに戻った。




やった…。
町を守れた…。




ツキは安堵したのもつかの間、
ウルーが気になった。



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