神様修行はじめます! 其の二
「永久が余計な力を持たぬようにと、のぉ」

「・・・・・」

「年の頃もちょうど合っておったのでな」


ジリジリジリ・・・

胸が焼けるように、激しい嫉妬で痛む。

熱した棒で掻き回されているみたい。


彼の・・・彼の婚約者。


いったいどんな人なんだろう。

綺麗な人なのかな。

可愛らしい人なのかな。


一度も会ったこともない人に、ものすごい存在感を感じてしまう。


圧倒的なほどの・・・

敗北感に似た、感情・・・。


「どんな人なの?」


聞きたくない。けど聞きたい。

できるだけ、さり気なく絹糸に聞いてみた。


胸につかえて、うまく言葉が出てこなかったけど。


絹糸は、困ったよう口ごもっている。


「何と言えばよいのか・・・」

「いいの。気にしないで言って」

「いや、そうではなくて・・・」

「?」

「・・・変わった娘なんじゃよ」


「ながひさ様あぁ~~~っ!!!」


その時、甲高い女性の叫び声が響いた。

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