神様修行はじめます! 其の二
呆然とするあたしの元へ、婚約者さんは走ってきた。

はぁはぁと息を切らしている。


「永久様、大丈夫ですの!?」

「我らが来たのが、よう分かったのぉ」

「わたくしは土の民。この地に一歩、足を踏み入れれば分かりますわ!」


総レース仕立てのカサをくるんっと回し、意気込んでいる。


うわあぁぁ・・・

見れば見るほど、ものすごい・・・。



ぶわっと大きく広がったスカート。

造花で盛り上がったヘッドドレス。

リボンで埋め尽くされた靴。


確かに、あたしや門川君と年齢は違わないみたい。

ちょっと年上っぽいけど。


目鼻立ちはハッキリしてて、可愛らしいと思う。


でも、必要以上にデコレーションしようとしているメイクが、痛い・・・。


ナチュラルメイクだったら、もっと似合うのに。


全体のケバさが、のどかな風景から完璧に浮きまくってる。


さっきとは別の意味での、圧倒的な存在感を感じてしまう・・・。

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