神様修行はじめます! 其の二
確かにあたし達は、これから戦いに行く。

これから血を流しに行く。

門川君を守るために、血を流す。


でもそれは、自分のためでもあるんだ。

自分にとって、かけがえのない大切な物を守るため。


そのために戦うと、自分で決めた。

自分自身で、自分が望むことのために。


「それだけは間違わないで。誰一人として、門川君に押し付けられて戦うんじゃない」

「・・・・」

「だからひとりで背負わないで」

「天内君・・・」

「どうしても背負うというなら、あたしも一緒だから」


一緒だからね。

門川君は、暗闇にひとりじゃないんだからね。

あたしはずっとずっと一緒だからね。


暗闇の中で、動く気配がした。

門川君が組んでいた腕をほどき、片腕をあたしの肩に回す。

そしてぎゅっと抱き寄せた。


「絶対に、何があっても諦めない。守ってみせる」

「・・・うん」

「君を、大切な物を守る」

「うん。あたしも守ってみせるよ」


彼の肩に額を当てて、彼の清廉な香りをかいだ。

心は不思議なくらい落ち着いていた。
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